2019年度・4月分読書会について
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
気付けば、3月もラスト、4月がやってきます。
鴨川の河川敷にも、桜の咲いている場所があり、
観光客や地域住民が足を運んで、
じーっと見詰めたり、
スマホでパシパシと写真をとっている光景が見られます。
私も、それらの人に漏れず、桜を楽しみました。
もう、季節は春です。
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今回は、「2019年度・4月分読書会について」ということで、
4月分読書会の概要について、簡単に示したいと思います。
【4月分読書会概要】
○課題図書:ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳『サピエンス全史 上・下』(河出書房新社、2016)
○開催日:4月28日(日)(仮)
○開催場所:京都某所
○参加方法:できるだけ事前に課題図書を読んでくる(「絶対」ではない)。
京都へ現地参加 or Skype参加。
*読書会参加希望の方は、Twitter:本ノ猪(@honnoinosisi555)に連絡をお願いします。
【参考資料:『サピエンス全史 上・下』の本論目次】
○上巻
第1部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種
第2章 虚構が協力を可能にした
第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
第4章 史上最も危険な種
第2部 農業革命
第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
第6章 神話による社会の拡大
第7章 書記体系の発明
第8章 想像上のヒエラルキーと差別
第3部 人類の統一
第9章 統一へ向かう世界
第10章 最強の征服者、貨幣
第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
○下巻
第12章 宗教という超人間的
第13章 歴史の必然と謎めいた選択
第4部 科学革命
第14章 無知の発見と近代科学の成立
第15章 科学と帝国の融合
第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
第17章 産業の推進力
第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
第19章 文明は人間を幸福にしたのか
第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ
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本読書会は、常時、新しい参加者を待っています。
少しでも興味のある方は、ぜひ、本ノ猪(@honnoinosisi555)の方にご連絡ください。
それでは、よろしくお願いします!
2019年度・3月分読書会 活動報告(3)
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
私が掲げる4月以降の目標に、「古本好きの友人をつくる」というものがあります。
自分の所蔵している「古本」について語りあったり、一緒に古本屋/古本まつりに足を運んだりできる友人です。
どうしたら、そのような友人をつくることができるでしょうか?
なにか具体案が思いつく人は、ぜひ教えてほしいです……。
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今回は「2019年度・3月分読書会 活動報告(3)」ということで、読書会参加者の感想文を幾つか掲載したいと思います。
●炭山 韓国読書会さん(@kingtyrano)↓
「序盤のほうしか読んでいないので、今日の読書会を通して全体像を把握できました。推理小説はあまり読みませんが、とても興味が湧きました。」
●ゆーと(仮)さん(@kawahagi522)↓
「課題の本が虚無の供物と難しい内容だったので理解するのに苦労しましたが、推理小説は読んだことがなかったので抽象的ではありますが何となくこのようなものなのだと理解するこはできました。具体的に言いますと第三の事件から第四の事件に移行する時の描写の仕方になるほどと思い、面白いと思ったところです。」
●つるばみさん(@thurubami_ramu)↓
「密室殺人とメタ認知構造になっているということで、『うみねこのなく頃に』に似た印象を受けました。毎度レジュメを作ってわかりやすく説明してくださっているので助かっております。」
●幽々さん(@yuu_yuu_ziteki_)↓
「幽々です。今回の課題図書「虚無への供物」は全部は読めないままでの参加になり、本ノ猪さん、秋山白さんの説明を聞くばかりになってしまいました。分かったのはとにかく複雑な構造の物語だという事で、なかなか説明するのも説明をきいて理解するのも難しい内容だということでした。また折を見て最後まで読了したいです。会話の中でつるばみさんが「うみねこのなく頃に」に構造が似てると言われていたのでそちらも見てみたいですね。来月も楽しみにしています。」
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忙しい日々の中で、ある一冊の本を読み終える時間と、読書会に参加するための時間を確保する―これはとても大変なことである。
毎月一回きちんと読書会を開けているのは、読書会参加者のやる気と優しさあってこそであることを自覚して、今後とも読書会を運営していきたいと思います。
以上で「2019年度・3月分読書会 活動報告(3)」を終ります。
お読み頂きありがとうございました。
2019年度・3月分読書会 活動報告(2)
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
最近、これまでより少しだけ真剣に「料理」(?)に取り組んでいます。
これまでは、結構な割合で「鶏肉」にお世話になることが多かったのですが、「魚」も「料理」に取り入れるようにしました。
その結果(といったら言訳ですが)、もともとあった体重がさらに増えてしまいました……。
やはり、自分には「料理一品(ひとしな)」生活が向いているのかもしれません。
……でも当分は、料理生活を続けていきたいと思います。
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今回は「2019年度・3月分読書会 活動報告(2)」ということで、
わたくし本ノ猪(@honnnoinosisi555)のレジュメと感想文を掲載したいと思います。
レジュメ↓
感想文↓
「今回の課題図書は中井英夫『虚無への供物』ということで、正直ひやひやしながらの読書会開催となった。
その「ひやひや」の原因は、主に二つ。
一つは、この本が「三大奇書」であること。
二つ目は、「ミステリー小説」で語り合えるのか、という不安である。
会を終えてみると、上記のような「ひやひや」や「不安」があった割には、楽しい読書会を行なえたように思うが、一方で反省点も幾つかある。
まず何よりも、レジュメ発表者以外の参加者に、ほとんど意見を言ってもらう機会がなかった点である。これは、自分もレジュメ発表者の一人として、猛省しなければならない。
なぜこんなことになってしまったのか?
理由ははっきりしている。
『虚無への供物』の内容を十分に理解できていなかった、これに尽きる。
前回の「2019年度・3月分読書会 活動報告(1)」内で紹介した、秋山白さんのレジュメを駆使して、なんとか物語の全貌を明らかにしようと努めたが、結局惨敗したいと言わざるをえない。
来月の読書会では、絶対にこんなことにはならないようにしよう」
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今回の私のレジュメでは、とくに持論は示さずに、『虚無への供物』を読む上で知っておくといいと思われる情報について、幾つか紹介することに徹した。
幾つかの情報の内、私がとくに注目してほしいのは、「細かな情報③:犯罪率関連資料(『平成12年版警察白書』参照 )」の「図1-4 殺人の認知・検挙状況の推移(昭和21~平成11年」のグラフ。
『虚無への供物』において重要な年である「昭和29年(1954年)」は、このグラフ上最も「殺人の認知件数・検挙件数・検挙人員」の数値が高い年であった。
この事実は、中井英夫の時代感覚を如実に物語っている。
その他にも、いろいろな関連情報を示したので、ぜひレジュメをご覧頂けると嬉しいです。
『虚無への供物』をチェック⇒(上巻: https://amzn.to/2Fv2RwJ、下巻:https://amzn.to/2U7qsfe)
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以上で「2019年度・3月分読書会 活動報告(2)」を終ります。
お読み頂きありがとうございました。
2019年度・3月分読書会 活動報告(1)
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
あまり意識はしていなかったのですが、
この読書会を開催し始めてから、
ようやく一年の月日が流れました。
いや、「はやくも」と言っていいかもしれません。
Twitterで参加者を募集し、毎月一回行っている読書会を継続していることは、冷静に考えてみると奇跡的なことです。
この「奇跡」を起こせているのは、毎月大切な時間の一部を使って、読書会に参加してくださっている方がいるからだと思います。
感謝してもしきれません、本当にありがとうございます。
4月以降も、変わることなく開催できればなと考えています。
ご協力のほど、よろしくお願いします!
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今回は「2019年度・3月分読書会 活動報告(1)」ということで、
今月の課題図書
中井英夫『虚無への供物』
(上巻:https://amzn.to/2Fv2RwJ、下巻:https://amzn.to/2U7qsfe)
の推薦者である、秋山白さん(@akiyamahaku)のレジュメと感想文を掲載します。
レジュメ↓
感想文↓
「今回レジュメをつくりました秋山白です。
『虚無への供物』は『ドグラ・マグラ』同様にレジュメを作らないと読み込めたとは言えない小説でした。この話は複数の関係のない事件から犯人を結び付けるという、読者の好奇心が作りだした話であり、中井英夫が敏感に感じ取った1954~55年という時代が背景に存在する。
猪氏のレジュメはその時代を知る上で参考になる。
『虚無への供物』冒頭でもふれられているように二重橋圧死事件、第五福竜丸、黄変米など歴史から見ても目立つような事件が続いた。他にも硫酸事件や仁保事件などがあり、検挙率のグラフでいうと昭和29年が浮いているのがわかる。それらを反映させてうまれてきた『虚無への供物』はミステリーベスト100の結果を見ると横溝正史『獄門島』と並び不動の地位を築いている。またミステリー小説をあまり読まない私は『ドグラ・マグラ』がミステリーの系譜に連なる作品だと初めて知った。それらを含めて『虚無への供物』という一作品の評価と内容の意味を知ることができ幸せな思いだった。」
(上記にある「猪氏のレジュメ」は、次回の「2019年度・3月分読書会 活動報告(2)」にて掲載します)
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今回、秋山白さんには、中井英夫『虚無への供物』の大まかな内容を解説するレジュメを作って頂いた。
「日本三大奇書の一冊」と呼ばれるだけあって、物語の構造は大変「複雑」。そんな小説の「大まかな内容」を掴むことはとても難しく、ましてや他の人が読んで分かる「レジュメ」を作るのは、根気のいる作業である。そのような現状がある中で、秋山白さんはきちんと小説内で起こった事件の概要や登場人物をおさえたレジュメを作ってくださったのには、心から感謝したいと思う。
秋山白さんのレジュメにも指摘がある通り、この小説の中には「ある犯罪が起こったとき、私たちはそれと無関係ではいられない」というメッセージが込められている。
例えば、母親が自分の子供を虐待して殺してしまう事件や、ある男がコンビニを襲って店員を殺害してしまう事件などが起ったとき、そのような事件が生じてしまうような社会の中で生きている私たちにはどのような「責任」があるだろうか。私たちはなんらかの形で「社会」が作られる上で関与しているのは間違いない以上、「社会」で起こる「事件」に対しても、無責任・無関心でいるわけにはいかない。
「事件」を「傍観者」として眺める人間に警告する―『虚無への供物』には、以上のような意図があったと思われる。
(写真:「日本三大奇書」集う)
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以上で、「2019年度・3月分読書会 活動報告(1)」を終ります。
お読み頂きありがとうございました。
2019年度・3月分読書会について
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
今回は「2019年度・3月分読書会について」ということで、3月分読書会のおおまかな概要について説明したいと思います。
【3月分読書会】
課題図書:『新装版 虚無への供物(上・下)』(講談社、2004⇒https://amzn.to/2Ew3mFp&https://amzn.to/2tQqWaI)
開催日:3月24日(日)
開催場所:京都某所(@honnoinosisi555の方に連絡頂ければお伝えします)
参加方法:現地参加orSkype参加
読書会自体の詳細については、以下の記事を参照ください↓
読書会の参加者は、常に募集中です。
少しでも興味のある方は、ぜひお声かけください!
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以上で「2019年度・3月分読書会について」を終ります。
お読み頂きありがとうございました。
2019年度・2月分読書会 活動報告(3)
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
最近、本屋に行く際に、心掛けていることがあります。
それは、自分が日頃興味を持っている分野とは異なるジャンルのコーナー(棚)に足を運んで、一応なんでもいいから一冊本を手に取ってみることです。
私にとって「異なるジャンル」に該当するのは、音楽や美術、地図、健康本などなど……「人文学」に興味が偏っているために当てはまるものが多いです。
せっかく、様々なジャンルに触れることができる空間(本屋さん)が存在するのだから、それを活用しないのは勿体ない。
ぜひ、みなさんも心掛けてみてください!
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今回は、「2019年度・2月分読書会 活動報告(3)」ということで、本ノ猪(@honnoinosisi555)のレジュメと感想文を掲載します。
レジュメ↓
感想文↓
「前回の1月分の読書会同様、大変有意義な会となりました。
当日になるまでは「『カニバリズム論』で議論が盛り上がるだろうか……」と不安な部分もあったのですが、いざ本番をむかえると盛況でした。
『カニバリズム論』は、そこで論じられている「カニバリズム」(とそこから派生してサディズム/マゾヒズム)に関する指摘もさることながら、その周辺に位置する文学論や文化論についても、学ぶところが多くありました。特に、西洋と中国の世界観の相違を見事に指摘して見せた「インコグニタ」論には、目から鱗が落ちました。
せっかくなのでレジュメ中から、その箇所を引用したいと思います。
「ヨーロッパ文明の源泉の思想はここに在ろう。「インコグニタ」なるものを常に道の行手に据える、必死になってたどりつく、到達したことの悲哀を忘れるために、ふたたび別の「インコグニタ」なるものを前方に据える。......かくて、発見や到達の喜悦は必ず悲哀と隣あわせになる。だから、絶対に到達不能のユートピアを新たにつくるのだ。ルネサンス以後も、ヨーロッパ人はどれほど多くのユートピアを考案したことだろう。だが、中国人には、この「インコグニタ」への好奇心はない。彼らの中華思想は、あらゆる「テラ・インコグニタ」を蛮族の地とみなし、あらゆる「インコグニタ」なる事象は古の鑑に照らして選別される。彼らの学問が、なべて典拠を重んじ訓詁考証を尚ぶ傾きにあるのは、だから当然なのである。未来は現在より堕落するに決まっているし、「テラ・インコグニタ」はここ中原より劣っていることが自明な人々に、どうして桃源境以上のユートピアが発想できよう。」(P157-158)
⇒この「インコグニタ」論を現代に適用してみると面白い。ヨーロッパ諸国(その中でも「列強国」)は、まだ見ぬ土地・地域を目的の場所として設定し、辿り着くための努力を惜しまない。この姿勢が「ヨーロッパ文明の源泉の思想」であると著者は語る。種々の国・機関が人工衛星を打ち上げ、リアルタイムで世界全体の状況が分かってしまう現代においては、「インコグニタ」を設定することは非常に難しい。「ヨーロッパ文明の源泉の思想」なるものは、現在うまく機能しない状況にあると言えるだろう。
来月(三月)も、読書会を開催する予定です。ぜひ、みなさん、ご参加ください!」
(参照文献⇒カニバリズム論 (ちくま学芸文庫))
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次に、2月分読書会の参加者の一人・でででさん(@TTD_Dede)と柳太郎さん(@fushigi_usg)の感想文を掲載します。
でででさん↓
「例のごとくしっかり読めない状態での参加となってしまったため不安もありましたがとても楽しくできました。特に今回の読書会では一人で読んでいる時点では思いつきもしないような点での気づきや議論が多く、とても有意義な時間に感じることができました。これからもよろしくお願いします。」
柳太郎さん↓
「読書会で参加者の方と話すのはとても有意義で楽しい時間でしたが、今回内容がちょっと難しかったので考えを文章化するにもすこし慎重になりたいと思っています。課題図書についても、僕の中でまだ咀嚼しきれてない部分が多いので、そちらの感想は控えさせていただきます。」
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以上で「2019年度・2月分読書会 活動報告(3)」を終ります。
お読み頂きありがとうございました。
2019年度・2月分読書会 活動報告(2)
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
最近、自分の家に、もう本を置くスペースがないため、古本屋に行かないようにしています。
新品の本屋と違って、一冊が100円前後から購入できてしまう古書店に足を踏み入れたら最後、バックに十数冊……ということは普通に起こります。
自分が好きな本を買ったので、べつにいいのです。古本屋からの帰り道は、楽しい気分でいられます。ただ、買った本が自分の家に到着したとき、「スペースがない」という現実と対面しなければならなくなり、一気に後悔の念に襲われるのです。
この行為の繰り返しです。なかなか改められません。
本棚にきちんと並んでいる本と、床にじかに置かれている本。
同じ本であるのに、扱い方が異なる。この状況は、頑張って改善したいと思っています。
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今回は「2019年度・2月分読書会 活動報告(2)」ということで、秋山白さん(@akiyamahaku)のレジュメと感想文を掲載したいと思います。
レジュメ↓
感想文↓
「今回のカニバリズム論の読書会において自分が一番驚いたのは、みなさん男性女性のマゾヒズムについてそれぞれの見解をもち、活発な議論をされていたことである。私としては若干気後れしてしまったが、聴かせてもらっていた。」
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今回私は、秋山白さんに「レジュメの作成」をお願いした。
通常であれば、課題図書の推薦者がレジュメを作成することになっており、よって(前回のブログでみたように)幽々さんがレジュメ作成を担当した。ただ今回は、私の勝手な要望で、秋山白さんにもレジュメを作って頂いた。ここには、私なりの理由がある。
課題図書『カニバリズム論』の作者・中野美代子は、中国文化・中国文学を専門とする学者である。よって、本書のもう一つの中心軸となっている西洋文化・西洋文学については、他の有識者の業績を援用・引用するという形で、論を展開している。ここでの「他の有識者」の筆頭として名を挙げることのできる人物に「澁澤龍彦」がいる。
秋山白さんが中学時代から「澁澤龍彦」の文章に親しんでいた、という話は、私は何度も本人から聞いていた。そのため、ぜひ「澁澤龍彦との出会い」を、読書会の参加者とも共有したいと思い、秋山白さんには忙しい中、レジュメを作って頂くことになった。
また、それに加えて、秋山白さんが大学で「民俗学」を専攻しているということもあり、課題図書中に出てくる「民俗学的事象」への著者の主張について、その正否を訊ねてみたいと思った。その点についても、レジュメに纏めて頂いている。
秋山白さん、お忙しい中、我がままに対応して頂きありがとうございました!
(参照文献⇒https://amzn.to/2NxuCaE)
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以上で、「2019年度・2月分読書会 活動報告(2)」を終ります。
お読み頂きありがとうございました。