2020年・10月分読書会について

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は、「2020年・10月分読書会について」ということで、

10月分読書会の概要について、簡単に示したいと思います。

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【10月分読書会概要】

○課題図書:多和田葉子『かかとを失くして 三人関係 文字移植』(講談社文芸文庫⇨amzn.to/2F8FrAa

○開催日:10月25日(日)*変更あり

○参加方法:できるだけ事前に課題図書を読んでくる(「絶対」ではない)。

      現地参加&スカイプ参加

*読書会参加希望の方は、Twitter:本ノ猪(@honnoinosisi555)に連絡をお願いします。

*新型コロナウィルス感染症対策のため、積極的にSkypeでの参加者を募集しています。

○課題図書の概要:
「九時十七分着の夜行列車で中央駅のホームへ降りた、遠い国から来た私。なぜか周囲からかかとを笑われながら、書類結婚をした男の住む十七番地のアパートで、扉に隠れて姿を見せない夫との奇妙な生活が始まる。ドイツで作品を発表していた著者が、群像新人賞を受賞して日本で衝撃的デビューを飾った「かかとを失くして」他二篇。“21世紀の世界文学”の幕開けを告げる、記念碑的作品集。」

 

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多和田葉子『かかとを失くして 三人関係 文字移植』(講談社文芸文庫)⇨amzn.to/2F8FrAa

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以上で「2020年・10月分読書会について」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

2020年・9月分読書会 活動報告(2)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2020年・9月分読書会 活動報告(2)」ということで、本ノ猪(@honnoinosisi555)のレジュメを掲載します。

 

レジュメ↓

 

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今回私はレジュメ内にて、課題図書の内容を章ごとに要約してみた。
課題図書(『ネットは社会を分断しない』)の面白さは、なんといっても実感と実態の隔りを感じられるところにある。
日常でネット(特にSNS)を使っていると、よく目に入ってくるのは「意見の対立」、ときには「誹謗中傷」である。こうなってくると、ネットが社会の分断を悪化させているように思えてくる。しかし、課題図書はそれを種々の調査によって覆す。
読書会終了後に考えたのは、もしかすると、課題図書を読んでも、実感と実態の間に隔りを感じない人もいるのかな、ということであった。つまり、日常生活でネットを使っていても、何ら「対立」に遭遇することがなく、楽しく利用できている人がいるのかもしれないということである。ただ、Twitterに絞って考えてみると、トレンドに頻繁に政治的な話題があがっているのを見ても、まったく「対立」とは無関係にネットを利用することは難しくなっている状況もある。

『ネットは社会を分断しない』、ぜひ読んでみてください。

 

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田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)⇨https://amzn.to/2Dwgbmq

 

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以上で「2020年・9月分読書会 活動報告(2)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

 

2020年・9月分読書会 活動報告(1)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

9月27日(日)の14時00分から18時00分までの4時間、

9月分の読書会を開催しました。

課題図書は、


田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)⇨https://amzn.to/2Dwgbmq

 

でした。

 

【目次】

まえがき

第1章 ネットへの期待と幻滅――認識され始めた「分断」

 「ネットは社会を良くする」

 現在のネットに漂う絶望感

 分極化(polarization)とは何か

 実証研究――アメリカの場合

 日本の場合はどうなっているか

 分極化お問題点とは何か

 「集合知」の弱体化

 「ネット原因説」の登場

第2章 分断のネット原因説――選択的接触とパーソナルメディア化

 選択的接触とエコーチェンバー

 選択の自由の拡大が招いた閉鎖性

 デジタルマーケティングと選択的接触

 実証研究の紹介――アメリカ・日本の事例

 意見の穏健化を説明する「ホテリングのモデル」

 メディアの多様性の拡大が引き起こした分極化

 ネットメディアを利用する人の方が過激

 サイバーカスケード、そして自由と民主主義

 本書が提示する答え

第3章 本当にネットが原因なのか? その1 ――分断が起きているのはネットを使わない中高年

 分極化をどのように測るか

 年齢効果

 中高年の先鋭化の事例

 アメリカでも先鋭化しているのは中高年

 「ネット原因説」との矛盾をどう解決するか

第4章 本当にネットが原因なのか? その2 ――ネットメディア利用の影響

 相関と因果の違い

 差の差分析(difference-in-difference)

 ネットメディアの利用は分極化に寄与するか

 政治的動機の除外

 年齢・性別ごとの検証

 一つだけ存在した分極化が進むケース

 ネットメディアの効果は穏健化が優勢

 選択的接触の話はどうなったのか

第5章 選択的接触の真実――賢明なネット世代

 保守・リベラルの一方だけの意見に接する人は5%以下

 論客のうち接する約4割は自分と逆の意見の持ち主

 クロス接触率4割をどう評価するか

 選択的接触はあくまで限定的

 年齢・性別ごとの検証

 選択的接触はマスメディアの場合の方が起きている

 ブログ・ネット雑誌読者の政治傾向

 紙雑誌の場合との比較

 予想と現実のズレはなぜ起きたか

 両側の意見を聞くと穏健化する

 ネット草創期の希望はまだ死んでいない

第6章 ネットで見える世論と真の世論――罵詈雑言を生む構造的問題

 なぜネットの議論は極端に見えるのか

 ネットでの議論の困難さ

 政治傾向の分布と表明される意見の分布のズレ

 ヘビーライターという存在

 書き込む数に見る意見の表れ方の歪み

 「目に触れる」という違い

 炎上事件から見えてくる「閲覧頻度」という要因

 萎縮効果

 ネットで見える世論の特性

あとがき――ネットの議論を良くするために

 

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田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)⇨https://amzn.to/2Dwgbmq

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今回は「2020年・9月分読書会 活動報告(1)」ということで、課題図書の推薦者である「ニシムーさん(@sn19891217)」のレジュメを掲載します。

 

 

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今回はニシムーさんに「ネット」に纏わる本を推薦いただいた。
昨今、「マイナスの面」が指摘・強調されることが多い「ネット」。自分たち(全参加者)の目を通しても、罵詈雑言・誹謗中傷が飛び交っている場所のように見える。ホントのところ、実態はどうなっているのか? それを様々なアンケートを通して明らかにしようとしたのが、今回の課題図書(『ネットは社会を分断しない』)であった。

本書で中心的に取り上げられていたのは、主に政治的な話題についてであったが、ニシムーさんの関心は文化的な話題にも向けられていた。ネットによって、人々はそれぞれ別々のコンテンツに触れるようになって、そこではどうしても「共通の話題」が生まれずらくなる。それはコミュニケーションを充実したものにする上で、ある程度の障害になってしまうのではないかーーこれがニシムーさんの主張である。私としては、ネットでみんながバラバラのものを好きになっているとはいっても、ネット中にも「流行」というものは存在しているわけで、そこまで別々のものを受容するに至っていないのでは?、と考えたりもした。(ただ実感としては、やっぱり共通の話題は減りつつあるなーと感じた。)

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以上で「2020年・9月分読書会 活動報告(1)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

 

 

2020年・9月分読書会について

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は、「2020年・9月分読書会について」ということで、

9月分読書会の概要について、簡単に示したいと思います。

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【9月分読書会概要】

○課題図書:田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)amzn.to/2Dwgbmq

○開催日:9月27日(日)*変更あり

○参加方法:できるだけ事前に課題図書を読んでくる(「絶対」ではない)。

      現地参加&スカイプ参加

*読書会参加希望の方は、Twitter:本ノ猪(@honnoinosisi555 または @honnoinosisi123)に連絡をお願いします。

*新型コロナウィルス感染症対策のため、積極的にSkypeでの参加者を募集しています。

 

【目次】

まえがき

第1章 ネットへの期待と幻滅――認識され始めた「分断」

 「ネットは社会を良くする」

 現在のネットに漂う絶望感

 分極化(polarization)とは何か

 実証研究――アメリカの場合

 日本の場合はどうなっているか

 分極化お問題点とは何か

 「集合知」の弱体化

 「ネット原因説」の登場

第2章 分断のネット原因説――選択的接触とパーソナルメディア化

 選択的接触とエコーチェンバー

 選択の自由の拡大が招いた閉鎖性

 デジタルマーケティングと選択的接触

 実証研究の紹介――アメリカ・日本の事例

 意見の穏健化を説明する「ホテリングのモデル」

 メディアの多様性の拡大が引き起こした分極化

 ネットメディアを利用する人の方が過激

 サイバーカスケード、そして自由と民主主義

 本書が提示する答え

第3章 本当にネットが原因なのか? その1 ――分断が起きているのはネットを使わない中高年

 分極化をどのように測るか

 年齢効果

 中高年の先鋭化の事例

 アメリカでも先鋭化しているのは中高年

 「ネット原因説」との矛盾をどう解決するか

第4章 本当にネットが原因なのか? その2 ――ネットメディア利用の影響

 相関と因果の違い

 差の差分析(difference-in-difference)

 ネットメディアの利用は分極化に寄与するか

 政治的動機の除外

 年齢・性別ごとの検証

 一つだけ存在した分極化が進むケース

 ネットメディアの効果は穏健化が優勢

 選択的接触の話はどうなったのか

第5章 選択的接触の真実――賢明なネット世代

 保守・リベラルの一方だけの意見に接する人は5%以下

 論客のうち接する約4割は自分と逆の意見の持ち主

 クロス接触率4割をどう評価するか

 選択的接触はあくまで限定的

 年齢・性別ごとの検証

 選択的接触はマスメディアの場合の方が起きている

 ブログ・ネット雑誌読者の政治傾向

 紙雑誌の場合との比較

 予想と現実のズレはなぜ起きたか

 両側の意見を聞くと穏健化する

 ネット草創期の希望はまだ死んでいない

第6章 ネットで見える世論と真の世論――罵詈雑言を生む構造的問題

 なぜネットの議論は極端に見えるのか

 ネットでの議論の困難さ

 政治傾向の分布と表明される意見の分布のズレ

 ヘビーライターという存在

 書き込む数に見る意見の表れ方の歪み

 「目に触れる」という違い

 炎上事件から見えてくる「閲覧頻度」という要因

 萎縮効果

 ネットで見える世論の特性

あとがき――ネットの議論を良くするために

 

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田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)⇒amzn.to/2Dwgbmq

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以上で「2020年・9月分読書会について」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

2020年・8月分読書会 活動報告(3)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2020年・8月分読書会 活動報告(3)」ということで、拙者(本ノ猪)のレジュメを掲載します。

 

レジュメ↓

 

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J・D・サリンジャー著、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)⇒https://amzn.to/31fzZm0

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今回私は、サリンジャーの文学を「戦争」という視点から読み込み、拙いレビュメにまとめてみた。
サリンジャー第二次世界大戦の戦場を経験している。結果、彼は神経衰弱におかされ、戦後もそれを引きずることになる。
彼は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の中で、直接的に「戦争」の話はしていないけれども、「日常」を淡々と生きる人々に対して「インチキ」や「胡散臭さ」を嗅ぎ取る態度には、「非日常」としての「戦争」の体験が反映しているように思えた。
サリンジャーの別の代表作『ナイン・ストーリーズ』には、戦場体験により精神に障害を受けた男性が登場する短篇がある。その男性の目を通して描かれる風景や他者との会話は、不安定で朧気で、読者はうまく状況を把握することができない。最後には、その男性はピストルで自らの頭を撃ち抜く。読者は本の前で一人取り残される。
サリンジャーが「若者の鬱屈」を描き、それが多くの読者の心を掴んだ背景には、彼の辛い「戦争経験」があったことは否定できない事実であると思う。

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以上で「2020年・8月分読書会 活動報告(3)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

2020年・8月分読書会 活動報告(2)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2020年・8月分読書会 活動報告(2)」ということで、「秋山白さん(@iJJVl6Gf8VdAh1T)」のレジュメを掲載します。

 

レジュメ↓

 

 

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J・D・サリンジャー著、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)⇒https://amzn.to/31fzZm0

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秋山白さんのレジュメでは、高校時代以来の再読を通して見出せた『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の魅力が示されていた。
秋山さんは、高校時代に野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』を読んだとき、主人公のコールフィールドをあまり好きになれなかったという。しかし、数年後の再読によって、本文の細かい点に目を向けてみると、コールフィールドに「近さ」を感じられるようになった。
秋山さんの本文への視線には、なかなか面白いものが多く、例としてレジュメに示されているスーツケースの話や、読書会中に話してくださった「アヒル」の話など、きちんと読み込んでいないと読み飛ばしてしまいそうなエピソードに目が向けられていた。そのことによって、ほかの参加者も触発されて、議論が盛り上がったように感じたので、秋山白さんには感謝したい。

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以上で「2020年・8月分読書会 活動報告(2)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

2020年・8月分読書会 活動報告(1)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

8月29日(土)の14時00分から18時30分までの4時間半、

8月分の読書会を開催しました。

課題図書は、

 

J・D・サリンジャー著、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)⇒https://amzn.to/31fzZm0

 

でした。

f:id:honnoinosisi555:20200827162728p:plain

J・D・サリンジャー著、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)⇒https://amzn.to/31fzZm0

 

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今回は「2020年・8月分読書会 活動報告(1)」ということで、課題図書の推薦者である「蛍さん(@kei__sui)」のレジュメを掲載します。

 

レジュメ↓

 

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今回の読書会は、世界各国で読み継がれてきている、J・D・サリンジャーの代表作『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が課題図書でした。
推薦者の蛍さんは、最初『ナイン・ストーリーズ』という同著者の別作品を推薦してくださったのですが、読書会での取り上げやすさなどを考えて、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』に変更させて頂きました。レジュメ作成の件も含めて、蛍さんのご協力には感謝しております。

キャッチャー・イン・ザ・ライ』に対する読書会参加者のコメントを聞いていて、強く印象に残った点に「読者の視点の2種類」がありました。つまり、〈キャッチャー・イン・ザ・ライ』の読者には、主人公の言動を「(かつての)私」と照らし合わせて読む人と、「こういう子いたなー」と主人公を客観的な視点から観察する人、の2種類がいたということです。(ちなみに、推薦者の蛍さんや私(本ノ猪)は後者でした。)
ただ、後者にあてはまる人であったとしても、完全に突き放して観察しているわけではなく、所々共感を覚えながら見つめていました。私の場合は何度も「主人公のようには度胸がなくて動けないな……」とかつての自分を反省的に振り返りました。

総じて今回の読書会は、参加者が『キャッチャー・イン・ザ・ライ』に対する共感ポイントを語り合い、その「魅力」を発掘していくことができた、充実した内容になったと思います。
参加者の皆様、ありがとうございました。

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以上で「2020年・8月分読書会 活動報告(1)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。