2020年・9月分読書会 活動報告(1)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

9月27日(日)の14時00分から18時00分までの4時間、

9月分の読書会を開催しました。

課題図書は、


田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)⇨https://amzn.to/2Dwgbmq

 

でした。

 

【目次】

まえがき

第1章 ネットへの期待と幻滅――認識され始めた「分断」

 「ネットは社会を良くする」

 現在のネットに漂う絶望感

 分極化(polarization)とは何か

 実証研究――アメリカの場合

 日本の場合はどうなっているか

 分極化お問題点とは何か

 「集合知」の弱体化

 「ネット原因説」の登場

第2章 分断のネット原因説――選択的接触とパーソナルメディア化

 選択的接触とエコーチェンバー

 選択の自由の拡大が招いた閉鎖性

 デジタルマーケティングと選択的接触

 実証研究の紹介――アメリカ・日本の事例

 意見の穏健化を説明する「ホテリングのモデル」

 メディアの多様性の拡大が引き起こした分極化

 ネットメディアを利用する人の方が過激

 サイバーカスケード、そして自由と民主主義

 本書が提示する答え

第3章 本当にネットが原因なのか? その1 ――分断が起きているのはネットを使わない中高年

 分極化をどのように測るか

 年齢効果

 中高年の先鋭化の事例

 アメリカでも先鋭化しているのは中高年

 「ネット原因説」との矛盾をどう解決するか

第4章 本当にネットが原因なのか? その2 ――ネットメディア利用の影響

 相関と因果の違い

 差の差分析(difference-in-difference)

 ネットメディアの利用は分極化に寄与するか

 政治的動機の除外

 年齢・性別ごとの検証

 一つだけ存在した分極化が進むケース

 ネットメディアの効果は穏健化が優勢

 選択的接触の話はどうなったのか

第5章 選択的接触の真実――賢明なネット世代

 保守・リベラルの一方だけの意見に接する人は5%以下

 論客のうち接する約4割は自分と逆の意見の持ち主

 クロス接触率4割をどう評価するか

 選択的接触はあくまで限定的

 年齢・性別ごとの検証

 選択的接触はマスメディアの場合の方が起きている

 ブログ・ネット雑誌読者の政治傾向

 紙雑誌の場合との比較

 予想と現実のズレはなぜ起きたか

 両側の意見を聞くと穏健化する

 ネット草創期の希望はまだ死んでいない

第6章 ネットで見える世論と真の世論――罵詈雑言を生む構造的問題

 なぜネットの議論は極端に見えるのか

 ネットでの議論の困難さ

 政治傾向の分布と表明される意見の分布のズレ

 ヘビーライターという存在

 書き込む数に見る意見の表れ方の歪み

 「目に触れる」という違い

 炎上事件から見えてくる「閲覧頻度」という要因

 萎縮効果

 ネットで見える世論の特性

あとがき――ネットの議論を良くするために

 

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田中辰雄・浜屋敏『ネットは社会を分断しない』(角川新書)⇨https://amzn.to/2Dwgbmq

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今回は「2020年・9月分読書会 活動報告(1)」ということで、課題図書の推薦者である「ニシムーさん(@sn19891217)」のレジュメを掲載します。

 

 

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今回はニシムーさんに「ネット」に纏わる本を推薦いただいた。
昨今、「マイナスの面」が指摘・強調されることが多い「ネット」。自分たち(全参加者)の目を通しても、罵詈雑言・誹謗中傷が飛び交っている場所のように見える。ホントのところ、実態はどうなっているのか? それを様々なアンケートを通して明らかにしようとしたのが、今回の課題図書(『ネットは社会を分断しない』)であった。

本書で中心的に取り上げられていたのは、主に政治的な話題についてであったが、ニシムーさんの関心は文化的な話題にも向けられていた。ネットによって、人々はそれぞれ別々のコンテンツに触れるようになって、そこではどうしても「共通の話題」が生まれずらくなる。それはコミュニケーションを充実したものにする上で、ある程度の障害になってしまうのではないかーーこれがニシムーさんの主張である。私としては、ネットでみんながバラバラのものを好きになっているとはいっても、ネット中にも「流行」というものは存在しているわけで、そこまで別々のものを受容するに至っていないのでは?、と考えたりもした。(ただ実感としては、やっぱり共通の話題は減りつつあるなーと感じた。)

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以上で「2020年・9月分読書会 活動報告(1)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。