2019年度・10月分読書会 活動報告(1)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

10月20日(日)の19時00分から23時00分までの4時間、

10月分の読書会を開催しました。

課題図書は、


村上春樹風の歌を聴け』(講談社、2004)⇒https://amzn.to/33eijql

 

「第二十二回群像新人文学賞を受賞した、村上春樹のデビュー作。

作品に込められた熱意に感応するように、読書会は大盛り上がりでした。

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今回は「2019年度・10月分読書会 活動報告(1)」ということで、「秋山○さん(@iJJVl6Gf8VdAh1T)」のレジュメと感想文を掲載したいと思います。

 

レジュメ↓

 

感想↓

レジュメで浅はかなことを言ってしまった秋山です。私はレジュメで春樹の音楽やセックス、細かな名詞が世界観を形作ってはいるが、問題の本質には結びついていないと書いた。
 しかし『風の歌を聴け』が一つの書かれた作品であるならば、そこに書かれたものは作者が選択したものである。そして私は趣味で小説を書く者として、一つの作品を完成させるさい無駄なものは書かない。問題を設定し、それを掘り下げるために、遠回しでも必ず余計なものは書かない、あれば削ぎ落す。だとすれば、春樹の作品世界における音楽やセックスも問題に関係あると考え、意味を問いなおしていく。そのことをフカミンさん(@arisaemaurashi)から教わった。そしてできるならば、それらを踏まえたうえで人と人との、行間とは違った、書かれていない関係を自分なりに考え、作品に組み込まれた構造を俯瞰することを蛍さん(@kei__sui)から教わった。読書会に参加してレジュメと考えが180度変わってしまった。また勉強になった。

 

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村上春樹風の歌を聴け』(講談社、2004)⇒https://amzn.to/33eijql

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今回秋山○さんは「趣味で小説を書く者」の視点からレジュメを作ってくださいました。

秋山○さんがレジュメ内で投げかけていた疑問は、『風の歌を聴け』の中に散りばめられている音楽やセックス、素敵な台詞回しは、ただ場面を彩るための小道具として機能しているのか、それとも作品の中心にある主張やメッセージと直接繫がっているのか、ということでした。

一般的な村上春樹に対するイメージを考えると、おそらく前者のような理解をしている人が多いのではないかと思います。一方、読書会参加者の半数は、後者のような理解をしていました。『風の歌を聴け』には、どの部分に注目するかによって、様々な読み方が存在することが改めて分かりました。

最後に、秋山○さんのレジュメ内にある印象深い文章を引用しておきます。

『風の歌を聞け』は処女作らしい、分かりにくいが勢があって、言いたいことがいっぱいあって膨らんでしまい、全体としてイガイガして、それでもどこか光ってる、そんな感じがする。いまや世界の村上春樹も、一人 の駆け出しの作家だったと思うと親近感を抱いた。

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以上で「2019年度・10月分読書会 活動報告(1)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。