2019年度・7月分読書会 活動報告(2)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

私は今、自身の研究とは別に「ある作家」の小説を、処女作から始めて読み進めています。

それは、読書会参加者の一人から、ポール・オースターの『ムーン・パレス』という小説を勧めてもらったことが出発点となっています。

私は以前にポール・オースターの作品を読んだことがあったのですが、「これは肌にあわなんな……」という感想にいたり、それ以来手に取ったことはありませんでした。しかし、ある読書会参加者から「読むなら『ムーン・パレス』がいいですよ」と言われて、実際に手に取って読んでみると「これは面白い!」とハマってしまいました。

「ある作家」とは「ポール・オースター」ではないのですが、彼に近い雰囲気の文章と世界観を示してくれる、日本の小説家です。

いずれ、すべて読み終えて、自身の中の考えが整理されたら、ブログなどにまとめていきたいと思います。

__________________________

今回は「2019年度・7月分読書会 活動報告(2)」ということで、「村人Dさん(@varietas_1)」のレジュメと感想文を掲載します。

 

レジュメ↓

 

感想↓

「今回初めて参加しました。皆様が暖かく迎えてくださったため、非常に安心して楽しい時間を過ごす事ができました。
レジュメの作成もさせていただきました。文章構成上の傾向から隠れた意図の予想まで、とにかく気になった所と考えた事・感じた事を手当たり次第に書き連ねた代物でしたが、とても真摯に聞いていただけたため、心地よく発表することができました。質問等もいただけたことで、今後、より一層己の価値観を磨いていくためのヒントが得られたと思います。
本当に楽しかったです。これからも参加させていただきたいです。」

 

f:id:honnoinosisi555:20190707174337j:plain

  課題図書:佐々木閑『ネットカルマ』(角川新書、2018)⇒https://amzn.to/2JjQ6Hx

_____________________________

今回、村人Dさんは、読書会初参加でした。丁寧にレジュメを作ってくださり、心から感謝しています。ありがとうございました。

村人Dさんのレジュメの特徴としては、『ネットカルマ』の文章構成に注目している点です。以下にレジュメの文章を引用します。


「同じ内容を繰り返し述べる傾向がみられる。賛否両論あるかもしれないが、私個人としては、これはより丁寧に読者の理解を助けるための措置であると感じた。言い換えがある度に、新たな事例や概念が提示されるからである。いきなり新たな要素を提示すると、文章の内容が大きく転換する。つまり、ここで読者がおいてけぼりになってしまうリスクを低減する手法であると考えた。」(P1)

 

『ネットカルマ』の中では、日常生活ではあまり触れる機会がない「原始仏教」の教えが紹介されています。そこで、次々に難しい仏教用語を列挙して、一度きりの説明で終わらせてしまうと、読者がおいてきぼりになってしまう危険性があります。その対処として、「同じ内容を繰り返し述べる」という構成が確認できるという村人Dさんの指摘には、大変頷けました。

 

また、レジュメ内では、「歴史」「国語」を学ぶ意義についての言及もありました。これが、『ネットカルマ』の本文の内容と見事に繫がっていく流れには、素直に驚かされました。

______________________________

以上で「2019年度・7月分読書会 活動報告(2)」を終ります。

ご覧頂きありがとうございました。