2019年度・6月分読書会 活動報告(3)
みなさん、こんにちは、本ノ猪です。
今回は「2019年度・6月分読書会 活動報告(3)」ということで、
「秋山白さん(@akiyamahaku)」のレジュメと感想文を掲載したいと思います。
レジュメ↓
感想文↓
「行間を読むことを実感した読書会だった。
自分は最後、ジョーンが己の無知さに気づきながらもロドニー許にしをこわなかったと思った。
しかしつるばみさんは逆の解釈の可能性をしめした。
「ちょっと、もうちょっと、あのひとに息つく暇を。」のジョーンのセリフ、これはロドニーに息をつかせるためジョーンはあえて無知を装っているのではいか?という意見だった。
自分はそう読めなくはないと思った。自分はジョーンではないかという疑いをもった恐ろしい読書会だった。」
課題図書:アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』(早川書房、2004)⇒https://amzn.to/2YVG847
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秋山白さんは、読書会の常連さん。参加者の中でも一二を争う「小説読み」の立場から、今回の『春にして君を離れ』を読み、レジュメを作ってきてくださった。
レジュメ内で秋山白さんは、小説の中の二つの家族「レスリー家」と「ジョーン家」を比較することによって、物語の中心テーマとなっている「愛」「勇気」「幸せ」の内実を掴もうとしている。
愛というものは、なかなか「相互的」なものにはなりえず、その多くは一方的な押し付けに終わってしまう。それは単に「片思い」といった現象だけに留まらず、実際に恋人関係・夫婦関係になっていたとしても起こり得る。今回の課題図書『春にして君を離れ』の主人公・ジョーンも、その「一方的な愛」を「相互的な愛」と理解(誤解?)して、日々を生きている女性であった。それは彼女の夫である「ロドニー」についても言える。彼は、妻・ジョーンに自分の感情をありのままに伝える「勇気」を持ち合わせていない。その結果、ジョーンとロドニーの間には少なからずの「愛」があったとしても、その濃度には大きな差が生まれてしまっている。
「愛」は複雑である。
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以上で「2019年度・6月分読書会 活動報告(3)」を終ります。
ご覧頂きありがとうございました。