4月分読書会 活動報告(4)

こんにちは

本ノ猪です

いかがお過ごしでしょうか?

世間ではGWという期間に入っているようですが…

私にはあまり関係がないようです。

いつも通り、人と話したり、ご飯を作ったり、本を読んだり、

だらだらと日々を過ごしております。

 

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今回はレジュメ&感想談のラストということで、

ゆずとそでさんのものを紹介したいと思います。

 

感想談↓

「今回の課題本はライトノベルだった。『狼と香辛料』の第1巻だ。僕は、この課題本における主要登場人物の1人であるロレンスと、ホロやその他の登場人物との間の関係に、生きるにあたっての精神的な原理を認め、それを「人恋しさ」だと主張した。そして、この精神的な原理に貫かれた関係を友情と恋に分類した。また、生存本能や自身の経済的な利益を優先するなどに代表される行動原理を生きるにあたっての物理的な行動原理と規定し、こちらの原理により形成される商人と客の関係や商人同士の出し抜くか出し抜かれるかの競争関係がデフォルトな関係であるという前提に立った。最後に、生きる精神的な原理が生きる物理的な原理に優先される所で、前者に貫かれていた関係は愛という奇跡的な関係に発展していくのではないかと主張した。
 今回、「物理的/精神的」という比喩を用いたが、これには理由がある。きっとにしたつくんさんならば貨幣の動きの話を中心に発表内容を組み立ててくると山を張っていたのだ。だから、ある意味で、僕の発表はにしたつくんさんとの共同して練られていったと言える。果たして、にしたつくんさんの発表は本課題本の物語を動かす貨幣の改鋳に関わる取引の仕組みについての解説であった。こういうことができるのが、本読書会の楽しみだと思う。
 ところで、今回の読書会では、どこまで正確な定義や理論にこだわるかという点について考えさせられた。例えば、ライトノベルが課題本である今回、ジャンルとしての「ライトノベル」を定義することは必要であるか否かについてどう考えたらよかっただろうか。僕は、今回は特に定義は必要で無かったと反省しつつ考える。実は、今回のある時点の会話において、僕がジャンルとしての「ライトノベル」の定義を語ろうとして話が行き詰まってしまった場面があったのだ。
 この、言い換えれば学的な正確さからどのように距離を取るかという問題は、これから本読書会へ参加し続けるに当たって、なるべく学的な正確さにこだわっていきたいと思う自分にとっては常に念頭に置いておかなければいけない課題だろう。」

 

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今回、ゆずとそでさんは、『狼と香辛料』の二人の主人公、

ロレンス&ホロの関係性について、

そこにある、ある種の友情や、恋愛感情について、

会話文やロレンスの視線や気持ちを示している文章を引用して、

分析を進めていました。

 

ゆずとそでさんの感想談を見ると、

そこには本読書会の方針や姿勢を考える上で、

大変重要な2点が示されていると言えます。

それはまとめると、

①他の参加者のレジュメ内容を予想して、自分のレジュメ内容を考える

②学的な正確さからの距離

の2つです。

まず、①についてですが、読書会への参加回数が増してくると、他の参加者がどういう点に強く関心があり、どのような観点で本を読み解いてくるかが分かってくるようになります。「あの人はこういう風にレジュメをまとめるだろうから、自分は…」というのはなかなか高度な作業であることは間違いないですが、毎回本を通じて深まっていく人間関係の一つの結実として考えてもいいと思います。

次に②にですが、これはなかなか難しい問題です。この読書会での議論は、一冊の本を読んできている前提で進められます。よって、そこで話し合われる内容には、一定の正確さがあるとは思いますが、一方で個々の参加者の解釈に敬意を払うという姿勢も大切なものです。あまりに、「学的な正確さ」に拘りすぎると、時にある人の意見や解釈を否定することに繫がりかねません。これは塩梅が難しい問題であります。個々の現場現場で対応していくことが重要であり、何よりも参加者同士の関係性をよりよいものに磨き続けていくことしか、暫定的な解決法はないと思います。この点は、いろいろな人に考えていただきたいです!

 

以上、長くなりましたが、

活動報告(4)を終わります。

それでは、失礼します。