2019年度・5月分読書会について

はい、みなさん、こんにちは。

いつも本のことばかり考えている、本ノ猪です。

気付けば、10連休も終わり、

元号も「平成」から「令和」へと変わりました。

私はこの激動(?)の数十日間、どのように過ごしていたかというと、

ほとんど毎日「古本まつり」の会場にいました(笑)

10連休の前半は、四天王寺の古本市に行き、

後半は、京都のみやこメッセで開かれていた即売会に足を運びました。

世間が騒がしい中、ゆったりと古本まつりを楽しむことができたのは幸せでした。

みなさんは、どのように10連休をお過ごしになったのでしょうか。

ぜひ聞いてみたいものです。

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今回は、「2019年度・5月分読書会について」ということで、

5月分読書会の概要について、簡単に示したいと思います。

 

【5月分読書会概要】

○課題図書:片山杜秀『平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム』(幻冬舎新書、2018)⇒https://amzn.to/2JqbpYj

○開催日:5月26日(日)(仮)

○開催場所:京都某所

○参加方法:できるだけ事前に課題図書を読んでくる(「絶対」ではない)。

      京都へ現地参加 or Skype参加。

*読書会参加希望の方は、Twitter:本ノ猪(@honnoinosisi555)に連絡をお願いします。ご参加、お待ちしています!!!


【参考資料:『平成精神史』の目次】

 

第一章 平成二八年夏の「革命」―「平らかに成る」に秘められた思想(上)

第二章 未完の平成―「平らかに成る」に秘められた思想(下)

第三章 花開く刹那主義―災害とニヒリズム(上)

第四章 今上天皇ロマン主義―災害とニヒリズム(下)

第五章 日本会議の悲願―平成ナショナリズムの正体(上)

第六章 終わらない冷戦―平成ナショナリズムの正体(下)

第七章 万世一系神話の寿命―ポスト平成の天皇

第八章 不条理こそリアル―ホラーとゲームの平成文化

第九章 マルクスを呼び戻せ!―人間不要のAI資本主義

第十章 北一輝麻原彰晃の奇妙な符合―瓦解する戦後民主主義

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片山杜秀『平成精神史』⇒https://amzn.to/2JqbpYj

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以上で、「2019年度・5月分読書会について」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

 

2019年度・4月分読書会 活動報告(6)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2019年度・4月分読書会 活動報告(6)」ということで、

まず「蛍さん(@kei__sui)」のレジュメを紹介したあと、まだ掲載していない読書会参加者の感想文を示したいと思います。

 

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蛍さんは、今回仕事のため、読書会当日には参加できませんでしたが、『サピエンス全史』を読んでの感想・疑問点をレジュメに纏めてくださりました。

このレジュメを幾人のみが読める状況にしておくのは勿体ないので、以下に掲載して置きたいと思います。

 

 

蛍さんのレジュメから伺えるのは、『サピエンス全史』をきっかけとして「次の学び」に進もうとする意志である。

例えば、第1章の「交雑説」「交代説」の議論から、日本へ渡ってきたホモサピエンスへの関心をもち、海部陽介『日本人はどこから来たのか?』(⇒https://amzn.to/2JdLvaa)という新たな一冊への意欲が見てとれる。

また第13章を通して、蛍さんが「それぞれの宗教と政治の相性度合を研究しても面白いと思う」という感想を持たれたことは、戦前の宗教史を学ぶ一学徒としては嬉しく思えた。

読書会のいいところは、ある一冊の本には個々人によって様々な読み方があり、印象深かった部分も疑問に感じた部分も各々異なっているということを感じられる部分にある。「本は一人で読むものだ」という主張には、勿論「正しい面」もあるが、そこには「私ならどんな本でも理解できる」という自己への過信がないだろうか。私はつねに「読み間違える」ことを自覚して、読書会を開催しているつもりである。

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次に、『サピエンス全史』読了後の感想、及び読書会の感想として、拙者(本ノ猪(@honnoinosisi555))&まささん(@syagakingzaki)の感想文を掲載したいと思います。

 

○本ノ猪(@honnoinosisi555)の『サピエンス全史』読了後の感想↓

「『サピエンス全史』は大変魅力的な一冊である。この本は読者を選ばない。「読書」をすることが可能な、すべての「ホモサピエンス」を対象としている。 (勿論、読者の側に、多少の前提知識が必要ではある。)

 現在、本屋に行くと、目を覆いたくなるような本が棚に並べられている。所謂「嫌韓」「嫌中」を主張する「ヘイト本」から、過度に日本を讃美する「日本スゴイ本」に至るまで、特定の民族・種族を不当に侮辱したり、過剰に称賛したりする本は、あとをたたない。 このような本が流行する社会の中で、すべての「 ホモサピエンス」を対象にしている『サピエンス全史』 が注目されたのは、私は意義深い現象だと思っている。 多くの「ヒト」が、心の中で「ヘイト本とか日本スゴイ本とかな……」と呆れた感情を燻らせたために、 民族・種族に関係のない、地球上に住む私たち「 ホモサピエンス」全体の歴史に心惹かれたのではないか。 私はそのように思えてならない。」

 

○まささん(@syagakingzaki)の読書会の感想↓

「はじめての参加だったのに色々としゃしゃり出てしまいましたが、温かく迎え入れてくださり、厚く御礼申し上げます。

いろいろな背景のある方々とお話しながらレジュメの理解を深めていく過程は、かつての学生時代を思い出したり、今では精神科当事者活動のピア会を感じさせられたり、大変ありがたい時間でした。

最後に、今日この読書会を企画して下さった本ノ猪さん、誠にありがとうございました。」

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以上で、「2019年度・4月分読書会 活動報告(6)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

2019年度・4月分読書会 活動報告(5)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2019年度・4月分読書会 活動報告(5)」ということで、

つるばみさん(@thurubami_ramu)のレジュメと感想文を掲載します。

 

レジュメ↓

 

感想文↓

「読書会の感想:今回は自分も含め、多くの人がレジュメを持ち発表していたので内容が濃く本の内容が理解しやすかった。
また、細かく担当が分かれていた為、一人当たりの分量が減り負担が減ってよかったのではないかと考える。」

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今回、つるばみさんには『サピエンス全史』の中の

第4部 科学革命

 第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和

 第19章 文明は人間を幸福にしたのか

 第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ

の章のレジュメ作りを担当していただきました。

 この三つの章は、『サピエンス全史』のラストを飾る章で、「何が人々を真に幸福にするのだろうか? 」という問いが、中心軸となっている。この中心軸について、つるばみさんはレジュメの中でこう述べている。

「個人的には 19 章の幸せとは、という章が最も印象に残った。理由としては、結局のところ 「幸福とは主観的なもので、環境には依存しない」、「事実というのは常に二面性がある」、「己を知ることが幸福につながる」と説いていた部分が、自分の考えと一致していたからだ。」

 つるばみさんはハラリが『サピエンス全史』の中で纏めていた「幸福」の捉え方に対して、共感的な感想をもっていた。ここからは『サピエンス全史』を、「人類史+世界史」の歴史書として読むだけではなく、一種の「哲学書」として捉える姿勢が感じられて、大変参考になった。

 読書会は14時から開始し18時に終了したのだが、つるばみさんが最後の発表者であったこともあり、発表に充分な時間をあてることができなかったのは大変申し訳なかった。次回以降、時間配分に気をつけていきたいと思う。

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以上で、「2019年度・4月分読書会 活動報告(5)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

 

2019年度・4月分読書会 活動報告(4)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2019年度・4月分読書会 活動報告(4)」ということで、

炭山 韓国読書会さん(@kingtyrano)さんのレジュメと感想文を掲載します。

 

レジュメ↓

 

感想文↓

「名前だけは知っていたものの、中々手に取ろうと思わなかった本だったので、今回読めてとても良かったと思いました。「人間」の歴史なのに、今まで肝心な人間のことは置き去りにしていたのではないかと思いました。
 人類は様々な試行錯誤を経て今に至ったのに我々はあまりにも失敗や踏歩に恐れている気がしました。
 科学が物を言う時代と言われますが、その科学を動かすのは思想だと言うことに気づき、安堵しつつも、ある使命感が湧いてきます。」

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今回、炭山さんには『サピエンス全史』の中の

第3部 人類の統一

 第12章 宗教という超人間的

 第13章 歴史の必然と謎めいた選択

第4部 科学革命

 第14章 無知の発見と近代科学の成立

の章のレジュメづくりを担当していただきました。

 普遍的な秩序となる可能性をもった3つの事象「貨幣」「帝国」「宗教」のうち、「宗教」について詳述された第12章からはじまり、「なぜ歴史を研究する必要があるのか」について述べられている第13章、科学における「無知」と「思想」との関係性が論じられた第14章にいたるまで、『サピエンス全史』の中でも特に抽象度が高い章を丁寧に纏めてくださった炭山さんには、心から感謝したい。

 第12章から第14章の内容が抽象的なのは、ここにハラリの思想が描出されているからである。ヘブライ大学で歴史学の教授を務める立場から、「歴史学(者)とはなにか」といった問いや、「資本主義も社会主義も一種の宗教である」などの主張が展開される。『サピエンス全史』を読まれた人の中には、きっと「他の章とは雰囲気が違うな……」と思う方が少ないのではないかと思う。

 

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以上で、「2019年度・4月分読書会 活動報告(4)」を終ります。

お読みいただきありがとうございました。

2019年度・4月分読書会 活動報告(3)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2019年度・4月分読書会 活動報告(3)」ということで、

えおといさん(@eotoiotoe)さんのレジュメと感想文を掲載します。

 

レジュメ↓

 

 

感想文↓

 「今回初めて読書会に参加いたしましま、えおといと申します。
 一つの本について、大人数で議論するというのは初めての経験でしたが、非常に楽しく有意義な時間を過ごせたと感じました。
 また機会があれば是非参加したいと思います。
 主催の本ノ猪さん、このような場を設けていただきまして、ありがとうございました!」

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今回、えおといさんには初参加ながら、

第3部 人類の統一

 第9章 統一へ向かう世界

 第10章 最強の征服者、貨幣

 第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン

という結構ハードな章のレジュメづくりを担当していただきました。

ホモ・サピエンスは、人々を”私たち”と”彼ら”の二つに分けられると考えるように 進化した。しかし、そうした二分法を超越し、普遍的な秩序となる可能性をもったものが 3 つ現れた。」

 この文章は、えおといさんのレジュメからの引用です。上記にある「3つ」の中にあげられていたのが、「貨幣」「帝国」「宗教」でした。今回は、その3つの内、「貨幣」「帝国」について書かれた章を、えおといさんには纏めてもらったということになります。ほんとうに有難かったです。

 「貨幣」は、私たちの生活において大変日常的なもので、そのものの性質について常にかんがえて生きている人は少ないでしょう。「みんなも使っているから、私も使って大丈夫」という相互の信頼や、「この貨幣には政府のお墨付きがある」という権力への信頼などによって、「貨幣」は「価値あるもの」として使用されている。この事実を改めて考えさせられた。

 一方、第11章で取り上げられていた「帝国」については、読書会参加者の何人かから「ピンとこない」「腑に落ちない」といった感想があがった。このような感想が生れた理由を、いくつか考えてはみたが、結局明確な答えを見出すことはできなかったため、ブログをご覧の方で『サピエンス全史』を読まれている方がいらっしゃれば、ぜひ第11章の内容に関する感想を教えていただければと思います。

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以上で、「2019年度・4月分読書会 活動報告(3)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。
 

 

2019年度・4月分読書会 活動報告(2)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

今回は「2019年度・4月分読書会 活動報告(2)」ということで、

:幽々さん(@yuu_yuu_ziteki_)のレジュメと感想文を掲載します。

 

レジュメ↓

 

感想文↓

「幽々です。今回の課題図書である『サピエンス全史』は僕の書いたレジュメ内でも述べましたが、知的なジョークが多く散りばめられていて非常に読みやすく、中身も我々の知的興奮を高めてくれる面白い本でした。各章ごとにレジュメの担当が割り振られ、参加者が各々発表する形でしたが僕の発表でだいぶ時間をとってしまったのは申し訳ないかったです。でもやはり、議題を用意すればそれぞれに意見が出て楽しく語り合えるメンバーだったのでとても満足です。次回も楽しみにしています。」

 

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今回、幽々さんには、『サピエンス全史』内の

第2部 農業革命

 第6章 神話による社会の拡大

 第7章 書記体系の発明

 第8章 想像上のヒエラルキーと差別

のレジュメづくりを担当して頂いた。

 幽々さんは、『サピエンス全史』の一つの魅力として、本書全体に散りばめられた「知的なジョーク」をあげている。この指摘には強く頷けるところがあり、本書が上下巻というなかなかの分量(ページ数)を有しているにも関わらず、多くの読者を獲得するに至ったのも、この「魅力」による部分が大きいのだろう。

 幽々さんはレジュメ内において、担当章における重要な部分を纏めてくださっただけでなく、読書会参加者全員に対して「議題」という形で、疑問を投げかけている。この「議題」があったおかげで、読書会での議論がより盛り上がったように感じたので、幽々さんには心から感謝したい。

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以上で、「2019年度・4月分読書会 活動報告(2)」を終ります。
ご覧いただきありがとうございました。

 

2019年度・4月分読書会 活動報告(1)

みなさん、こんにちは、本ノ猪です。

4月28日(日)の14時から18時までの4時間、

4月分読書会を開催しました。

課題図書は、

日本でもベストセラーになった、

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』上下巻

なかなかのボリュームでしたが、

読書会参加者の協力により、

無事盛況のもと終わることができました。

心から感謝します。

 

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話は変わりまして、

4月28日(日)はGWの真っただ中でした。

みなさんはGW、どのような日々をお過ごしになりますか?

仕事がある方や、休日であっても外出はせず、家でゆっくりと過ごす方、

いろいろな方がいらっしゃるかと思います。

私の個人的なGWの楽しみ方は、大阪と京都の古本まつりに足を運ぶことです。

 

大阪⇒第17回「四天王寺春の大古本祭り」

   日時:2019年4月26日(金)~5月5日(日)

京都⇒第37回 「春の古書大即売会」

   日時:2019年5月1日(水)~5月5日(日)

 

とにかく最高です。関西圏に足をお運びの際は、ぜひ上記の古本市にもお立ち寄りください!

 

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今回は、「2019年度・4月分読書会 活動報告(1)」ということで、秋山白さん(@akiyamahaku)のレジュメと感想文を掲載します。

 

レジュメ↓

 

感想文↓

 「第1部第3章、4章・第5章の箇所を担当しました秋山白です。レジュメにも書きましたが自分の専門ともかぶる最も古い時代の話なので興味を持つながら読ませていただきました『サピエンス全史』は4月に入る前には読み終わっていたので、正直下巻はうる覚えでしたが各人のレジュメにて思い出しながら参加させてもらいました。特に炭山さん(@kingtyrano)に解説していただけた12章宗教の法則人間を崇拝する宗教として人間至上主義があがっていたのは驚きました」

 

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 今回、秋山白さんには、『サピエンス全史』の第1部第3、4章と第2部第5章のレジュメづくりを担当して頂いた。なぜこの部分を秋山白さんが担当することになったかというと、レジュメ内にもあるように、秋山白さんは大学で民俗学を専攻しており、今回の担当部分のテーマと内容が一致するからである。一応、担当の章のタイトルを以下にあげておく。

第1部 認知革命

    第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし

    第4章 史上最も危険な種

第2部 農業革命

    第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇

 秋山白さんが担当した章で、ハラリが強く語っていたのは、「狩猟採集民より農耕民の方が優れている」という通念への疑問である。「え? 違うの?」と思った人は、ハラリが次々と述べ立てる事実に、驚きを隠せないだろう。以下に幾つか、引用する(秋山白さんのレジュメより)。

 

「農業革命は、安楽に暮らせる新 しい時代の到来を告げるにはほど遠く、農耕民は狩猟採集民よりも一般に困難で、満足度の低い生活を余儀なくされ」(P107L8)

ホモ・サピエンスがそれらを(小麦、稲、ジャガイモ)を栽培したのではなく、逆にホモ・サピエンスがそれらに家畜化された」(P107L16~17)

 

ぜひ、実際に『サピエンス全史』を手に取って、内容に驚愕してほしい。

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以上で、「2019年度・4月分読書会 活動報告(1)」を終ります。

ご覧いただきありがとうございました。